矯正治療は何歳からでもできます。ですが、矯正開始を始める理想的な時期は、あごの成長が盛んな時期、つまり成長期にあたる子どもの時期です。
子どもの矯正は、早い時期から始めれば、ワイヤー(針金)を使わない、目立たず、簡単に、そして痛みをほとんど起こさない装置で行うことができます。
また、子どものうちから矯正することで、あごの骨の成長を正常に促しながら矯正することができるので、より根本的で健康的な矯正治療が可能になります。
矯正治療は、大きく分けると、乳歯があるうちから行う小児矯正と、全て永久歯に生え変わってから行う成人矯正に分けられます。
成人矯正は、すでに出来上がった骨格にいかに歯を並べきるか、ということを目的とする治療になりますが、小児矯正の場合だと、成長の終わっていないあごの骨の正常な発育を促しながら、永久歯を理想的な位置へ並べていくことができます。
成人矯正の場合には、歯が並ぶ場所が足りない場合に、場所そのものを広げたりすることはできないので、多くの場合、並びきらない歯を数カ所間引いて(抜いて)並べるということを行います。(抜歯矯正)
一方、小児矯正の場合には、骨格的な成長をコントロールしながら、永久歯を理想的な位置へ誘導していくことができますので、何本か抜歯をする、ということを行わずに歯を並べられる可能性が高くなります。
また、骨格が正常に成長し、形が整うことにより、お顔の見た目が良くなりますし、健康にも良いというメリットもあります。
「矯正治療は永久歯が並んでからでもできるし」、と思っている方もいらっしゃるかもしれません。でも、子どものうちから行う小児矯正にはたくさんのメリットがあります。
小児矯正の開始時期は、永久歯に生え変わる5歳〜7歳くらいが一般的です。ですが、遺伝的な受け口のような骨格性の不正が強い場合には、あごの成長を早めのうちに抑えた方が良いこともあるので、3歳くらいから治療をおすすめすることもあります。
そのため、もし両親のどちらかが受け口の場合には、早めにご相談していただいた方が良いでしょう。
いずれにしても、矯正治療を始める時期は、皆一律というわけではなく、ケースバイケースですので、歯並びに異常が見られたり、気になるところがある場合には、一度早めにご相談していただくことをおすすめします。