インプラント治療で腫れるのはなぜ?軽減する方法は?

インプラント治療では手術後に腫れる場合があります。口の中ですし、痛みも伴うため、できれば避けたいものです。腫れがインプラントに影響を及ぼす恐れもあります。なぜ腫れるのか、原因と軽減する方法を紹介しましょう。

■ インプラントの手術後の腫れが気になる…その実態は?

インプラントの手術後、頬の腫れが気になる女性

インプラントの治療では、まず虫歯や歯周病を治療して口内環境を改善し、続いてインプラントを埋め込む手術を行います。その後、1週間くらいで抜糸したら仮歯を入れ、インプラントが骨と結合したら人工歯を被せて完成です。

こうした一連の流れの中で最も腫れる可能性があるのは手術です。手術中は局所麻酔で痛みを感じないようになっていますが、インプラントを埋め込むために歯肉を切ったり、顎の骨に穴を開けたりするなど、大がかりなことをやっています。

さらに、インプラントを埋め込むだけの十分なスペースが無ければ、上あごから採取した歯肉を移植したり、自分の骨や人工骨を移植したりする作業も必要です。いわゆるFGG(遊離歯肉移植術)やGBR(骨再生誘導療法)なども行います。

たとえインプラントのためであっても、手術は「侵襲」といって体を傷つける行為です。出血するのはもちろん、体を守るために免疫機能や防御機能が働きます。その1つが「炎症」であり、腫れるだけでなく赤みを帯びたり、熱を持ったり、痛みを感じたりするものです。腫れるときは血流が増えて、傷ついた箇所の再生に必要な成分が集まっています。

腫れる程度はインプラント手術の内容次第です。一度に多くの本数を入れたり、FGGやGBRも行ったりするなど、手術の範囲が広くなるほど大きく腫れる可能性があります。実態としてインプラント手術は腫れやすい状況が揃っているため、仕方ないと言えるでしょう。

手術が無事に終わったとしても、インプラントの治療が終わるわけではありません。長持ちさせるには、その後のメンテナンスが大事です。インプラントが必ず定着するわけではありませんし、健康な歯よりも細菌の影響を受けます。過信してメンテナンスを怠ると、炎症を起こして腫れる可能性があるのです。

■ インプラントの腫れが起きる原因
インプラントの手術後に患部が腫れるのは、大きく分けて以下の3つの原因があります。それぞれに詳しく見ていきましょう。

●手術後の免疫・防御反応

先ほど説明したとおり、インプラントの手術は侵襲行為であり、腫れるなど炎症を起こして患部を再生しようとします。通常は2~3日ほどで収まり、歯を抜いた後と同じくらいの痛みです。歯肉や骨の移植を行った場合はさらに数日ほどかかり、一度に多くのインプラントを埋め込んだ場合は、1週間から10日ほどかかります。

もし2週間経っても腫れが引かない場合は、何らかのトラブルが起きている可能性があります。例えばインプラントに対する拒絶反応です。体がインプラントを異物とみなし、免疫細胞が周辺組織を攻撃するため、患部が腫れてしまいます。確率としては低いですが、そのまま放置するとインプラントが抜けてしまうため、早めの対策が必要です。

●細菌感染が起きている

インプラントの手術をする前に虫歯や歯周病の治療を済ませるのは、細菌が患部に侵入するのを防ぐためです。同様に手術で使用する器具は滅菌し、無菌室で手術を行います。それくらいインプラントの手術にあたっては、細心の注意を払わなければいけません。

ところが、どこかで不備があると手術中に細菌が入り込んでしまい、術後に腫れる原因になります。そのまま放置するとやはりインプラントが抜けてしまうため、抗菌薬を服用して改善することになるでしょう。

細菌感染は歯科医の衛生管理に問題があると起こりやすくなります。インプラントの治療を行うすべての歯科医が、必ずしも無菌室や滅菌器を備えているわけでもありません。インプラントの治療を受けるにあたっては、衛生管理をチェックしたいところです。

例えば内部の雰囲気や器具の扱い方などで、清潔感の有無は感じられるでしょう。インターネットの口コミも参考になります。

もちろん、傷口が完全にふさがるまでは、毎日のセルフケアが大事です。これを怠ると傷口に細菌が入り込んでしまいます。そこまでは歯科医の責任ではありません。

●インプラント周囲炎になっている

インプラント周囲炎は細菌感染の一種で、手術後のケアを怠ると起こりやすくなります。原因は歯垢や歯石です。つまり日ごろの歯磨きなどによるプラークコントロールを怠るとインプラント周囲炎になりやすいといえます。

インプラント自体は虫歯になりませんが、「歯根膜」が無いため健康な歯よりも細菌が侵入しやすい状態です。歯と歯茎の間に溜まった歯垢や歯石によって細菌が侵入すると、インプラントの周りでは歯周病に似た症状が起こります。次第に歯周ポケットが深くなり、周囲の骨が吸収され、そのままではインプラントが脱落しかねません。

インプラント周囲炎は普通の歯周病よりも進行が早く、喫煙者や糖尿病患者はさらにリスクが高まります。腫れに気づいた時点で、すぐに歯科医を受診したほうがいいでしょう。インプラントの治療前から虫歯や歯周病にかかっていた場合は、引き続き定期検診を受けて、普段の歯磨きでは取れない歯石を除去したいところです。

実際の治療においても歯石の除去が最優先であり、その上で炎症を起こした箇所を切除したり、抗生物質を服用したりします。

■ インプラントの腫れを軽減するためには

インプラントの手術後処方された痛み止めや抗生物質、消炎剤などの薬

インプラントの手術後に腫れると、口の中ですから不便な思いをしますし、それが怖くてインプラントの治療に踏み切れない人もいます。腫れること自体は避けようがありませんが、軽減するなら以下の方法で可能です。

●口の中を清潔な状態にする

細菌感染やインプラント周囲炎を防ぐためにも、口の中は常に清潔な状態にしましょう。歯磨きも手術した箇所以外は通常どおり行います。歯磨き粉は種類によって傷や刺激の原因になるため、医師に相談したほうがいいでしょう。

口をゆすぐときは水の動きによってかさぶたが取れる恐れがあるので、手術から2~3日くらいはブクブク泡立つような強いうがいは避けたほうが無難です。もし出血が気になるようであれば、うがいよりも清潔なガーゼを噛むほうが早く止められます。

●傷口は触らない

手術の傷口を刺激すると、それだけ治りが遅くなります。指や舌で触るのはもちろんNGですし、歯ブラシも当たらないように気をつけなければいけません。食事も炎症が収まるまでは柔らかいものを中心として、固いものや熱いもの、刺激物は控えましょう。腫れは2~10日ほどで引きますが、傷口がふさがるまでには1~2週間ほどかかります。

●処方された薬を指示どおりに服用する

インプラントの手術後には、痛み止めや抗生物質、消炎剤などが処方されます。いずれも腫れなどの炎症を抑えるためです。これらは医師の指示どおりに服用してこそ、初めて効果を発揮します。うっかり飲み忘れてしまうと腫れが引くのが遅れたり、痛みが強くなったりする原因です。自分の判断で中止せず、処方された分はすべて服用しましょう。

なお、これらを服用しても腫れが引かなかったり、痛みが強くなったりする場合は、薬が合っていないか、薬では解決できないトラブルが発生している可能性があります。速やかに医師と相談して、薬を替えるなどの対処をしたほうがいいでしょう。
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■ まとめ

インプラントの手術後に患部が腫れるのは、侵襲行為に対する免疫や防御反応によるものです。インプラントの手術は歯肉や骨を傷つけるため、どうしても腫れてしまいます。少しでも腫れを軽減するには口の中を清潔な状態に保ち、傷口を刺激せず、処方薬を指示どおり服用するのが大切です。その後のインプラント周囲炎にも気をつけましょう。

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