ドライマウスを放置すると「誤嚥性肺炎」の原因につながるケースも!

ここ数ヶ月口が渇いてしょうがない、乾いた食べ物が食べづらい、口の中がねばねばしている、夜中に起きて水を飲みたくなる……といった症状はありませんか?もしかするとそれは、ドライマウスという病気かもしれません。簡単にいえばお口の中が渇いた状態が続く症状なのですが、たかが口内の乾燥だからと放っておいてはいけません。ドライマウス自体は大したことのないものかもしれませんが、ドライマウスがもとで命にかかわる病気を引き起こしてしまうこともあるのです。

■ そもそも、ドライマウスとは

そもそも、ドライマウスとは

ドライマウスは、正しくは「口腔乾燥症」といいます。お口の中に流れる唾液の量が減少、また唾液の質も低下することで口内が乾燥してしまう病気です。口内が乾燥することでお口の中がねばねばと不快に感じたり、食べ物をスムーズに飲み込めなくなったり、口臭がきになったり、舌に痛みを感じたりといった症状がでます。たかが口の乾燥と思いがちですが、食事を楽しめないことや口臭が気になって集中できないなど、生活の質を低下させストレスの原因にもなってしまう、非常にやっかいな病気です。さらに、唾液はお口の中の細菌を流して繁殖させないようにするといった自浄作用がありますが、口の中に流れる唾液量とその質が低下することによって、口の中の自浄作用がしっかりと機能しなくなります。口内の細菌をやっつける抗菌物質の数も減少してしまい、口の中に虫歯菌や歯周病菌、さらには肺炎球菌などが棲みつきやすい環境になりどんどん繁殖してしまうのです。

■ ドライマウスで引き起こされる、命にかかわる病気

ドライマウスは、口内の乾燥による不快感や生活の質が低下することで感じるストレスも問題ですが、特に注意すべきなのは口の中の細菌が繁殖しやすい環境になっているということです。虫歯菌や歯周病菌、肺炎球菌など様々な病原菌が口内にはひそんでいますから、いろいろな病気にかかりやすくなってしまいます。中でも命の危険にまで及んでしまう病気である誤嚥性肺炎になるリスクがとても高まることは頭に入れておきましょう。
誤嚥性(ごえんせい)肺炎とは、口から入れた食べ物や口内の唾液は本来であれば食道を通って胃へと運ばれていきますが、それが誤って食道ではなく気管や肺に流れてしまって肺の中に口内に棲みついていた細菌が入り込んでしまい肺に炎症が起きる病気です。飲食での誤嚥でなくとも、寝ているときに口を開けたままの状態だと、唾液が誤って気管や肺に入ってしまう可能性があります。誤嚥したからといって必ず肺炎が引き起こされるわけではありませんが、ドライマウスによって口内の肺炎球菌がかなり増殖している場合ですと、誤嚥によって肺炎球菌がたくさん気管や肺に入り込んで炎症を引き起こし、最悪の場合は肺炎症状がひどくなって死に至るというケースも考えられます。

■ ドライマウスは治すべき病気です

ドライマウスは治すべき病気です

ドライマウスの方が誤嚥をして誤嚥性肺炎を引き起こす恐ろしさはおわかりいただけたでしょうか。たかが口内の乾燥と思っていたら、思わぬところで命にかかわる病気につながっているのです。誤嚥性肺炎にはならなくとも、お口の中は虫歯菌や歯周病菌の繁殖地になってしまっていますから、虫歯や歯周病に大変かかりやすい状態であるといえます。数か月におよぶ口の渇きやお口のねばねばによる不快を感じたら、歯医者さんで検診を受けましょう。もしかすると、歯科検診を受けたらすでに口内の虫歯菌や歯周病菌が猛威を振るっていて虫歯ができていたり歯周病の症状がみられるかもしれません。特に歯周病については初期段階での自覚症状がほとんどありませんから、歯医者さんでの検診で気が付くことも多いのです。歯周病は、初期段階のうちに病気の進行を食い止めることができれば、自分の歯を維持することが可能ですが、かなり病状が進行してからだとその部分の歯を抜いてしまうか、もしくは勝手に抜け落ちてしまうこともあります。歯医者さんでの早期発見が、自分の歯を守るカギになります。

■ ドライマウス治療中に自分自身でできること

ドライマウスの治療中も、誤嚥性肺炎や虫歯、歯周病には気を付けていなければいけません。ドライマウスが完治し、唾液の量と質ともに改善されなければ、治療中でも口内の自浄作用がきちんとはたらかず口内が細菌の棲みかになってしまいます。自分自身でできる細菌対策としては、毎日、毎回の歯磨きを特に入念に行い歯や歯ぐきに付着している細菌や細菌の栄養となる食べかすなどをしっかりと取り除くこと、デンタルフロスで歯と歯のすき間の歯ブラシが届きにくい部分まできれいにすること、デンタルリンスといった口内の殺菌洗浄剤をつかって口をゆすぐことで細菌の繁殖を抑えることなどがあります。特に、細菌の繁殖は睡眠中が最も活発になりますから、就寝前のデンタルリンスでの口内洗浄は効果的でしょう。ドライマウスの治療と並行して自身で細菌対策を行うことで、命かかわる誤嚥性肺炎のリスクや虫歯、歯周病のリスクも低くすることができるのです。


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